ジャニーズ事務所が「外部専門家による再発防止特別チーム」からの調査報告書を受け、会見を行った。ジャニー喜多川前社長による性加害問題について、ジャニーズ事務所が報道陣の前に立つのは、これが初めてだ。
だが、社長の引責辞任以外、具体的な中身はほとんどなかった。藤島ジュリー景子氏は社長から退任するものの、100%の株主であり代表取締役にもとどまることから、ジャニーズ事務所への支配力は維持したまま。加害者の名前を冠した事務所名も変更せず、被害者救済の具体策の発表もなかった。
今、ジャニーズ事務所は何を最も恐れているか
にもかかわらず、広報PRを専門とする私の目にはジャニーズ事務所は、今回の記者会見を「なんとかうまく乗り切った」ように見える。
具体的な内容が皆無だったにもかかわらず、なぜジャニーズ事務所は会見を乗り切れたのか。乗り切れた理由は、完全子会社のジャニーズアイランドの社長で所属タレントでもある井ノ原快彦氏の率直で誠実な言葉、そして会見の枠組みの工夫があったからだ。
そして、同時に会見によって、「今、ジャニーズ事務所が何を最も恐れているか」が垣間見えたように思える。
かつてはテレビ東京経済部の記者として、現在は企業の広報PRを支援する立場として、多くの会見に関わってきた経験を基にジャニーズ事務所が講じた工夫、そして「ジャニーズ事務所が最も恐れているもの」を解き明かしてみたい。
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