ジャニ会見で露見、井ノ原氏と東山氏「対応力の差」 謝罪会見に必要なのは、嘘偽りのない真摯な言葉

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だが今回のジャニーズ事務所の会見では大手マスコミはもとより、海外メディア、フリーの記者、有名とは言い難いネットメディアの記者、さらにはYouTuberまで、実に300人もの記者が参加した。会見時間も4時間を超えた。ここまでやれば、どの記者も「逃げた」とは書けない。

井ノ原氏の真摯な言葉と振る舞い

さて、ここまで述べてきたのは、いずれも会見の「細かな技術」に過ぎない。私が最も感心したのは技術より遥かに重要な、危機対応に最も必要な本質を見たからだ。それは、井ノ原氏が語る「言葉の力強さ」だ。

井ノ原快彦氏(撮影:東洋経済オンライン編集部)

たとえば、ジャニーズ事務所が最も大切にすべきファンに対する真摯な言葉だ。不安な気持ちで会見の生中継を見たファンは、間違いなく井ノ原氏の言葉に心を打たれたのではないか。

「ジュニアの子たちにいつも言っているのは、(お客さんが)どんな気持ちでライブに来てくださっているのか。何日も前からチケットを取って、高いお金を払って飛行機を取って、髪をセットして来てくださるっていうことをイチから考え直してステージに立ちましょうと。手作りのうちわを作ってくれたりとか、精いっぱい力の限り応援してくださっている」

「ジャニーズ事務所がライバルとなる芸能人のテレビ出演を妨害していたのではないか」という質問についても、変革への想いを吐露している。

「こういう立場になって、『なんでこうなんだろう』と疑問に思うことがあった。『昔、ジャニーさん・メリーさんがこう言ったから』という、昔のタイプのスタッフもいる。『変えようよ』と毎日言っています。多分(ジャニーさん・メリーさんが)『やめろ』と最初は言ったかもしれない。でも、その後はそれが続いてしまっているだけで。だから、毎日言っているのです」

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