イーロン・マスク「やみくもではない」判断力の本質 挑戦を恐れない「アニマルスピリッツ」の真髄

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人間の脳というのは、行動しようとする脳と行動を抑制しようとする脳がせめぎ合っていて、アニマルスピリッツを呼び起こすためには、脳の抑制を外せるかどうかにかかっています。これを「脳の脱抑制」といいます。

新しいチャレンジをしたいけれども、なかなか行動に移せないと悩んでいる人は、決して行動することが苦手なわけではなく、脳の抑制を外すのが苦手なだけなのです。それはある意味当然のことです。なぜなら、脳の抑制の外し方を学校や会社で学んだり、実践していないからです。

そこで、脳科学者として、皆さんのアニマルスピリッツを呼び起こすために、脳の抑制の外し方を伝授いたしましょう。

周りの目を気にしない勇気

とはいうものの、脳の抑制はほとんど無意識下で起こっているのが少々厄介なところです。自分自身も気づかないうちに、脳が勝手に、動かない、やらないという判断をしてしまうからです。

『運動脳の鍛え方』(リベラル社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

そこで大事なのが、周りを気にせず動く勇気を持つこと。脳の抑制がかかってしまう大抵の場合、周りの声や評価を意識することで、脳が身構えてしまうことが多いといえます。

たとえ、周りから「あいつはバカなことをやっている」と思われようが、おかまいなし! そんな勇気を持って動いてみてください。私はその勇気こそがアニマルスピリッツを呼び起こし、脳のモビリティーを高める原動力になると考えています。

結局のところ、倫理的なことを除けば、正しいとか間違っているというのは、結果が出たときにしかわかりません。すべてのことは勇気を持って動いてみなければわからないのです。たとえ失敗しながらでも、恥をかきながらでも、自分から主体的に行動する勇気を持ってみてください。

ザワザワとした「こうしたい」という要求がわきあがってきたらチャンス。あなたの心の欲求にアニマルスピリッツが目覚めるかもしれません。

茂木 健一郎 脳科学者

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もぎ けんいちろう / Kenichiro Mogi

1962年生まれ。脳科学者。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京大学大学院特任教授(共創研究室、Collective Intelligence Research Laboratory )。東京大学大学院客員教授(広域科学専攻)。屋久島おおぞら高校校長。『脳と仮想』(新潮社)で第四回小林秀雄賞、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第十二回桑原武夫学芸賞を受賞。著書に、『「ほら、あれだよ、あれ」がなくなる本(共著)』『最高の雑談力』(以上、徳間書店)『脳を活かす勉強法』(PHP 研究所)『最高の結果を引き出す質問力』(河出書房新社)ほか多数。

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