例えば、イーロン・マスク氏がその好例です。
現在、彼を知らないビジネスパーソンはいないでしょう。宇宙ロケットを製造開発する「スペースⅩ」や電気自動車を開発する「テスラ」を創業した、いわずと知れた世界トップクラスの実業家です。最近ではツイッター(現X)を買収して世間で話題になりましたね。
そんな予測不可能なイーロン・マスク氏は、まさに典型的なアニマルスピリッツの持ち主だといえます。なぜなら、彼はこれまでその野心に忠実に、新しいチャレンジをくり返してきたからです。
イーロン・マスク氏の判断軸
ただし、アニマルスピリッツといっても、イーロン・マスク氏は何か新しいチャレンジをするときに、ただやみくもに動いているわけではありません。彼は「クレバー/フーリッシュ・マトリクス」という、経営判断をする際に用いる判断軸を持っており、それによって「動く/動かない」「やる/やらない」を決めているといわれます。この判断軸による意思決定が、イーロン・マスク氏が大きな成功を収めている要因の1つです。
「クレバー/フーリッシュ・マトリクス」。直訳すれば、クレバーとは賢い、フーリッシュとは愚かという意味です。イーロン・マスク氏が判断軸としているものは、クレバーが挑戦に値すること、フーリッシュが挑戦する価値がないこと、と考えていいでしょう。
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図のマトリクスの4つのゾーンのうち、イーロン・マスク氏が重視するのは①です。他人から見ると愚かに思えても、自分にすれば賢いと思えるものこそ、事業として成功の確率が高く、優先的に取り組むべき市場としているのが、彼のモビリティーの高さなのです。
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