暑さ続く9月「夏の疲れ」癒やす究極の食材・レシピ 体にこもった「熱」を冷ます身近な野菜とは?

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「夏バテ解消にはうなぎ」と考えがちですが、実はうなぎには脂が多く、胃腸が元気であれば消化吸収できますが、暑さで疲れた胃には適さないようです。

毎年、夏にうなぎや焼肉で具合が悪くなり、駆け込んでくる患者さんがいらっしゃいますが、元気になろうとして「スタミナがつく」といわれる料理を食べた結果、消化不良を起こしてしまうのが原因です。

でも、あのタレの香りで元気になる気がする……という方におすすめなのが、穴子です。穴子はうなぎと見た目が似ていますが、脂質は半分程度で、あっさりとした食感が特徴です。うなぎと比べるとビタミンAをはじめとする栄養素の含有量は劣りますが、疲れた胃腸にはちょうどいいのではないでしょうか。

穴子の炊き込みご飯
■材料(2~3人分)
米 2合
酒 大さじ2
しょうゆ 大さじ2
穴子蒲焼き(売っているもの) 1匹
しょうが 一かけ(親指一節大)
■作り方
洗った米、酒、しょうゆを炊飯釜に入れ、水を2合分目盛りまで入れる
食べやすい大きさ(5ミリ程度)に切った穴子、千切りにした生姜を炊飯釜に入れる
炊飯器で炊く(炊き込みモードがなければ通常、あるいは白米モードでOK)

スパイスの力で胃を動かす

最後は食欲がまったく出ず、「このままでは夏バテしそう」というときのレシピを紹介します。

食欲が出ないときは、まず胃腸を休めるのが重要です。その後、少しずつ消化のいいお粥やスープなどでウオーミングアップし、徐々に食べる量を増やしていきます。そこで役立つのがスパイス。消化力が復活しやすくなります。

夏バテ以外にも、胃の気が不足している状態である病後や手術後にもよいレシピです。

使う緑豆は、消化力が程々にあるときは皮付きでいいですが、弱り切っているときは皮なしを使うといいでしょう。クミンやターメリックはスーパーのスパイス売り場にたいてい置いてありますが、なければカレー粉で代用しても結構です。

緑豆のカレー
■材料(2人分)
緑豆(皮なし) 半カップ
水 2カップ
塩 小さじ1
クミンパウダー 小さじ1
ターメリックパウダー 小さじ1
■作り方
水に洗った緑豆を入れ、火にかける
緑豆が煮崩れるまで弱火で30分~1時間程度煮込む
最後にスパイスを入れ、さらに5分程度煮込む

緑豆(ムング豆)のカレーは元気なときに食べても美味しいメニューです。私自身もたまに作っていますが、皮なし緑豆は何時間も水に浸けておかなくてもいいので、思い立ったらすぐに作ることができます。

平地 治美 薬剤師、鍼灸師。 和光鍼灸治療院・漢方薬局代表

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ひらぢ はるみ / Harumi Hiraji

東洋鍼灸専門学校非常勤講師、日本東洋医学会代議員。朝日カルチャーセンター、津田沼カルチャーセンターなどで漢方関連の講座を担当。明治薬科大学薬学部卒業後、漢方薬局勤務を経て、東洋鍼灸専門学校に入学。漢方治療の大家である寺師睦宗氏に漢方を、石原克己氏に鍼灸を、クリシュナU.K氏にアーユルヴェーダ医学を学ぶ。著書に『げきポカ』(ダイヤモンド社)、『舌を見る・動かす・食べるで健康になる』(日貿出版)など。You tube「平地治美・漢方チャンネル」も開設。ブログ「平地治美の漢方ブログ」。

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