2024年から新しいNISA制度がスタートすることになった。「インフレで貯蓄は目減りするだけ。これからの時代、資産形成は貯蓄ではなく投資だ」とのフレーズが飛び交い、関連本の出版も相次ぎ、NISAをしないなんてニンゲン失格のような風潮すらある。
NISAの品ぞろえではなく、どんな金融機関を選ぶか
ここで新制度の詳細について触れることはしないが、もっとも大きな変更は、これまで最大20年(つみたてNISA)だった投資期間が恒久化されたことだ。これは、金融機関にとって大きなインパクトとなる。お客をゲットできたら、数十年単位で資金を積み上げてくれるかもしれないのだ。これは本気になる。
そこで繰り広げられているのは、NISAの品ぞろえ――ではなく、別の競争だ。どんな金融機関を選べばいいかについて、多くの専門家は買える商品の違いだったり、証券会社の使い勝手などを軸にアドバイスすることが多い。
しかし、NISAで投資に熱心なのは若者層だ。彼らに響くのは、「ポイントの還元率」の要素が大きい。クレジットカード決済によるNISAの積立購入ができ、その積立金額に対してどのくらいポイント還元が受けられるのか、そのポイントで投信を購入できるのか。老後の資産形成をNISAで行いつつ、同時に今すぐ使えるポイントをいかに稼ぐか。その点を見落としては、この世代の個人投資家を惹きつけることは難しいだろう。
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