「新NISA始めたい人」どこで始めるのが結局トクか 運用成績だけでなくポイント還元率も注視したい

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なお、現在すでにNISA口座を利用している場合は、その金融機関に新NISAの口座も自動的に作られる。すでに相当数のNISA口座を押さえている楽天やSBIは、これ以上のサービスをする必要がないと考えているかもしれない。よその様子を見ながらキャンペーンを打つかどうか――というところだろう。

後出しジャンケンとなるか? PayPay証券の動向

ここに顔を出してはいないが、若者層のお金をがっちりつかみたいと考えているのは「PayPay」ブランドの金融グループだろう。PayPay証券では、今年4月からPayPayポイントで有価証券を買付できる機能をアプリに追加している。むろん、新NISAの対象銘柄となる投資信託を追加し、着々と準備を進めている。スマホ決済のシェアではトップ、今後はLINEユーザーとの連携もいっそう強化すると考えられ、投資未経験のZ世代を取り込む「顔」としてのPayPayブランドはやはり強い。

他社クレジットカードを排除すると発表して騒動を起こしたものの、自社カード「PayPayカード」強化のスタンスにぶれはない。新NISAへのアプローチとして、遠からずNISAのクレカ積立にも参入してくるだろう。その時の還元率は、後出しジャンケンの強みを生かし、おおっという数字を出してくるのではないか――と予想している。

ちなみにカード積立ではないが、9月4日からPayPay残高(PayPayマネー、PayPayポイント)でPayPay証券での投資信託の積立購入をすると、購入金額の0.5%分をPayPayポイントで付与する「PayPay資産運用つみたて還元プログラム」を開始した。さて、どうなるか。

資産形成なのに還元率とは邪道な、と怒られるかもしれないが、結局のところ多くの人が選択すると思われるバランス型インデックスファンドはどこの証券会社でも備えているのだから、品ぞろえで勝負してもさほど差はつかない。20年後30年後の運用結果など誰にもわからないのだ。

それよりも、今トクするポイント還元率ならわかりやすい。しかも、この先に投資エントリーしてくるのは、生活すべてをスマホで済ませたい世代だ。「今トクするのはどこか?」という情報へのリサーチ力はすさまじいものがある。現在NISA口座トップを競う楽天やSBIが、そのまま安泰でいられるかは誰にもわからない。

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松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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