「八海山」世界進出で日本酒文化は広がるのか アメリカ生まれのホップを使った「SAKE」とは
カリフォルニアのジャポニカ米と、ニューヨーク州の山岳地「キャッツキル」の水を用い、日本から届けられた酵母で醸造されたお酒は「CRAFT SAKE BROOKLYN KURA」の名称で販売されている。
新たな「SAKE」造り
そしてこのたび、そのブルックリンクラと、日本酒メーカーである八海醸造がタッグを組み、新たな「SAKE」造りを始めるという。なお、海外でつくられているものは法律上、「日本酒」と呼ぶことはできないため、本記事でも「SAKE」の表記を採用している。
八海醸造は1922年に新潟県南魚沼市に創業、地元では後発のため、関東に販路を求め、やがて全国に展開した。1995年にはアメリカへの輸出も開始している。看板商品の「八海山」はコンビニでも入手できるメジャーな日本酒である。製造を担う八海醸造と、卸売りを担う株式会社八海山で「八海醸造グループ」を構成しており、八海醸造の売上高は約60億円(2021年8月期)となっている。
清酒の八海山のほかにも、焼酎、梅酒、地ビール、ウイスキーやジン、機能性食品の「あまさけ」など、広く展開してきた。
ブルックリンクラとのプロジェクトに関しては、すでに2021年にアメリカ法人ハッカイサンブルワリーUSAを設立、資本業務提供を結んでおり、八海醸造取締役副社長の南雲真仁氏がアメリカ法人の代表に就任。八海醸造の技術提供によって建造された新たな醸造設備がこの秋をメドに稼働開始する。八海醸造から派遣される「蔵人」(日本酒づくりに従事する人)2名も常駐し、SAKE造りをサポートするそうだ。
さらにブルックリンクラは今後、日本酒の啓発活動を行うための「SAKEスタディセンター」としての機能も果たしていく。SAKEスタディセンターにおけるプログラムは、一般消費者向け、飲食のプロフェッショナル向け、SAKE造りを学びたい人向けと、3つのコースが用意されている。2013年から八海醸造のグローバルブランドアンバサダーを務め、自らも蔵人としての経験があるティモシー・サリバン氏が監修するそうだ。
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