「八海山」世界進出で日本酒文化は広がるのか アメリカ生まれのホップを使った「SAKE」とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

しかし内訳を見ると、大きく減ってきているのは「一般酒」と呼ばれるお酒。純米酒や吟醸酒、本醸造酒などの「特定名称酒」の減少率はもう少し穏やかだ。つまり、家庭で日常的に飲まれるテーブルワインのようなお酒が飲まれなくなっており、ちょっと高級な居酒屋で飲むような「いいお酒」は健闘しているということだ。

なお、話は少し逸れるが、「醸造アルコールが添加されているお酒はおいしくない」と思っている人は多いだろう。醸造アルコールとは、さとうきびなどを原料に蒸留してつくられたアルコールのことだ。

かつて日本酒出荷量を押し上げていたものの中には、コストを抑えるために醸造アルコール量を増やしたいわゆる「三増酒」も含まれていた。醸造アルコールを添加したお酒のイメージが悪いのは、そのせいだと思われる。
現在、醸造アルコールは保存性をもたせるためや、味や香りの調整で少量使われるのが一般的で、高いお酒の代表である大吟醸などにも使われている。

2018年にNYで生まれた「ブルックリンクラ」

さて、「日本酒を海外に」の動きでまず思い浮かぶのは、「獺祭」で有名な旭酒造だ。日本と海外における知名度が同じように伸びてきたという珍しい酒蔵で、ホームページには、「獺祭の買える店」をワールドマップで掲示している。2018年にはパリにフレンチとのペアリングも味わえる複合施設「ダッサイ・ジョエル・ロブション」をオープン。また同時に建設を進めてきたNYでの酒蔵が、コロナ禍を挟んでついに2023年3月完成した。近々、純米吟醸酒「DASSAI BLUE」を販売する予定となっている。

海外で現地の人が始めた蔵元の例もある。NYの「ブルックリンクラ」は2018年にスタートした酒造。担い手はブライアン・ポーレン氏、ブランドン・ドーン氏という2人のアメリカ人だ。倉庫を改装したおしゃれなショップやレストランが並ぶ一角に、その場で味わえる「タップルーム」を備えた酒造をオープンした。

次ページ日本酒メーカーとタッグ
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事