平気で「キモい」と言っていた子どもに訪れた悲劇 「語彙力不足」が「不登校」につながった経緯

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

大事なのは、言葉を選ぶ力です。

いやな感じがしたから「ウザい」と言いたいけれど、もっと相手に伝わる表現を探す。仲良しグループでは「キモい」と言い合っても大丈夫だけれど、それ以外の場所では考えて言葉を選ぶ。友だちには「ワンチャン」と言うのが面白いけれど、親や祖父母の世代には違う言葉で伝える。そんなことができるのが、語彙力のある子と言えます。

逆に、言葉を選べない子が、コミュニケーションにトラブルを抱えがちです。自分の気持ちに自分で気づくことが難しかったり、誤解されやすい表現を使ってしまったりして、精神的に追い詰められることがあります。

言葉を知っていれば、「言いかえ」ができる

言葉を選べるようになるためには、当然ですが言葉を知っていなければなりません。

たとえば「キモい」。他にどういう表現があるでしょうか。

『マンガで笑って、言葉の達人!超こども言いかえ図鑑』(Gakken)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

拙著『超こども言いかえ図鑑』の中には、こんなシーンがあります。学芸会に向けて、劇の練習をしている小学5年生の登場人物たち。「特殊メイクで魔女役をやるぜ!」と、顔にいろいろ塗りたくったヤバオくんに対し、マジカさんが「キモいって!」と言います。

デキルくんは「ちょ、ちょっとグロテスクじゃないかな?」

式部さんは「うっ、おどろおどろしいですわね」

1つのシーンに対し、いろいろな言い方をするキャラクターたちが出てきます。

ほかにも、「おぞましい」「不気味」「ぞっとする」などの言い換え表現があります。

いま言おうとした「キモい」は、どういうキモさなのか。さまざまな表現を知っていれば、ちょうど良い言葉を使うことができるようになるでしょう。

子どもたちには、さまざまな言葉を知って「言葉を選ぶ力」をつけていってほしいと思います。

調査期間:2023年6月23日~6月27日
調査方法:インターネット調査
調査対象:小中学生の保護者500名
有効回答数:小学生370、中学生135
*きょうだいがいるため回答数は500を超える
形式:自由記述式、複数回答あり
調査主体:『超こども言い換え図鑑』編集部
小川 晶子 ブックライター、絵本講師

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おがわ あきこ / Akiko Ogawa

幼い頃から絵本が好きで、幼稚園生の頃の趣味は絵本作り。本と表現に関わる仕事をしたいと、2008年よりフリーのライターになる。『文章上達トレーニング45』(同文館出版)、『プロフィール作成術』(kindle)などの著作を持ち、『読書する人だけがたどりつける場所』(齋藤孝著、SB新書)などベストセラーの制作にも関わる。メディア出演、講演実績多数。2人の男の子の母親でもある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事