「ヤバい」「ウザい」「ガチで」「キモい」……子どもたちと接していて、語彙力の低下を感じたことのある人は少なくないでしょう。語彙力や表現力が乏しい結果、意図せずに周囲を傷つけてしまったり、誤解を招いてしまうこともあるようです。
この記事では『マンガで笑って、言葉の達人! 超こども言いかえ図鑑』著者の一人である小川晶子氏が、調査結果から見える子どもの語彙力・表現力の現状を分析しつつ、「言葉を選ぶ力」の大切さについて語ります。
うちの子の語彙力が心配!
「うちの子、何でもヤバいヤバいと言っていて、語彙力がないんです」
子どもの語彙力・表現力を心配する声をよく聞きます。
「ヤバい」は、もともとは危険なこと、不都合なことを指して言う俗語でしたが、いまは「面白い」も「うれしい」も「かっこいい」も何でも表現できる便利な言葉ですね。便利だから多用しがちですが、こればかりになってしまうと当然ながら語彙力や表現力は広がりません。
語彙力が低いと何が問題なのでしょうか。私は教育現場での取材や、教育に携わる人への取材をすることがありますが、語彙力の低さがトラブルにつながるという話は何度も聞きました。自分の気持ちをうまく伝えられず、意図せず過激な言葉を使って誤解されるなど、コミュニケーションに問題が起こりやすくなります。
言葉は思考の前提でもあり、コミュニケーションのツールですから、手持ちの言葉が少ないほど困難を抱えるというのは想像に難くありません。学力の問題以前に、生きづらさにもつながる深刻な問題です。
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