日大林理事長と岸田首相「マイナス会見」の共通項 2つに見られる要因「危機意識」の弱さが露呈

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日本大アメリカンフットボール部員の事件について、記者会見する林真理子理事長(左)ら=8日午後、東京都千代田区(写真:共同通信イメージ)

今回の会見は「危機管理広報」

筆者は在京メディアの記者として、幾度となく政治家や企業の不祥事で当事者による記者会見を取材してきた。事件や事故、不祥事やトラブルを受けての会見は、個人や組織へのダメージを最小限に抑え、事態を収拾させるために行うもので、「危機管理広報」などと呼ばれている。

数年間、職場のラジオ局で、リスクマネジメントの要ともいえる危機管理広報を担い、番組や番組出演者、あるいは社員が関わった諸問題に対応していた時期がある。

「新商品発表」や「新企画指導」といった攻めの広報とは異なり、守りが主になる危機管理広報では、①記者会見を開くまでのスピード、②情報開示度の高さや透明性、③正直で誠実な態度、という3つの要素が重要になることを実感してきた。

その点からすれば、8月8日に日本大学がアメリカンフットボール部の部員が違法薬物所持で逮捕されたことを受けて開いた記者会見、それから、ひも付けミスが続出しているマイナンバーカードに関して岸田首相が行った8月4日の記者会見は、「不合格」だったと言わざるをえない。

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