インド進出の日系企業でいかにインド人管理職をマネジメントするか
拡大する日本企業のインド進出。法的課題への解決ニーズも急増し、弁護士への要求も複雑化、高度化してきている。そこで今回は、インドを専門分野の1つとして活躍する、数少ない日本人弁護士の1人である小島国際法律事務所パートナーの小川浩賢氏に「インドに進出する日本企業のための人事労務上の注意点、法律上の課題」などについてインタビューした
(聞き手は須貝信一・ネクストマーケット・リサーチ代表取締役)
--今日はよろしくお願いします。小川さんはもうインド進出の法務を手掛けて長いですね。
1994年頃からやっていますので長いですね。
--インド側の提携事務所などはあるのですか。インド人弁護士を使ううえでの難しさはありますか?
インド側の法律事務所からインターンの弁護士を十数人受け入れたりしていまして、一緒に仕事をしたりもしていました。ただ使える弁護士はごく少数です。特定の提携先弁護士事務所はありませんが、弁護士は誰に頼むかで決まります。インドの場合は州法などもありどこの都市か、どういった案件かでそのたびごとのニーズに合わせ、インド側弁護士を選んでいます。
インド人弁護士は時間を守るのが不得意ですね。やっぱりルーズです。俺が動いて初めて日が昇ると思っていますから(笑)
--では早速インドの労務について現地法人と本社側の双方に関することを伺いたいと思いますが、現地のインド人幹部の転職も多いようですが、どうですか?
インドに進出した日系の製造業が、「せっかくワークマン(ブルーカラー)からノンワークマン(ホワイトカラー)まで育ててきたのにすぐ辞めてしまう」と、皆さん頭を抱えていらっしゃいますね。
ただ、責任を任せられるくらいに育ったところで辞めてしまうのは、大体使っているほうが悪いのではないかと思います。会社側がやりがいのある仕事を与えられていないんですよ。