インド進出の日系企業でいかにインド人管理職をマネジメントするか

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--日本国内でのマネジメントのように、「モチベーション」をもっと意識しなければいけない、ということですね。

そうです。管理職の転職についてはその裏側に雇用する側の「任せる方向性」と被雇用者の「やりがい」との間にミスマッチがあると思います。そういう「振り返り」に関して日本企業は下手なような気がします。「ここまで育てたのに出て行きやがって」というのはちょっと違う、やっぱり「使いきれてなかった」と認識すべきです。どこか見下していたりするようなところが根本にあると思います。

--なるほど、会社側の責任と考えるべきなんですね。

また、駐在員のほうがインド人スタッフを見下してしまう場合とは逆に、インド人とベッタリになってしまう場合も問題です。公私の境目がなくなって首根っこを捕まえられてしまうようなこともありえます。

日本にある外資系の会社でも同じですね。外国人の上司を丸め込んでかなりダーティなことをやっているだとか、クビを切りたいのだがどうにかならないか、といった相談もあります。それの相似形が日本人とインド人の間に起こることもありえます。結構、日本の本社側は現地法人の法的なことも放っておくんですよ。

--本社側はどうすればよいですか?

現地本社の代表が入れ替わるときに「何やっているんだ」ということにもなりかねません。インド事業を管理する部署が、数字だけで管理するのは不適切です。やはり半年に一回でも現地に行くなど継続的にやってほしいと思います。せめてカウンターパートの顔と名前が一致するくらいにはなっていてほしいですね。

例えば、日本国内でも、営業部の上司が部下に対して「相手先の様子をしっかり観察しろ。従業員がコロコロ変わってないか。会社の雰囲気はどうか。何かよくない兆候があったら知らせろ」といったことを言うでしょう。会社の従業員が次々に辞めていたら、その会社は倒産が近いだとか、何かおかしいはずなんです。

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