WBC優勝支えたコーチが語る「選手育成」最新手法 日々進歩するプロ野球、技術活用の「落とし穴」
そういうことも考えると、やはり近くに寄りすぎないのが重要です。
ファイターズやWBCで一緒だった吉井理人さんも著書『最高のコーチは、教えない。』で、「教える」という行為には数多くの危険が潜んでいることを指摘していますが、実感してきた内容が多く記述されていました。
いつでも野球の近くにいたい
現在、二軍で「チーフ」という仕事を任せてもらい、自分の専門分野である内野守備だけでなく、さらに俯瞰して全体を見ていくことになり、仕事の幅が広がりました。
フロント、スカウト、各ポジションのコーチ、トレーニングコーチやトレーナーと綿密にコミュニケーションを取りながら、若い選手たちの育成に関与していくのは、非常にやりがいを感じています。
また、それを通して、フロントと密接な接点ができたことも新鮮です。スワローズの場合は、コーチを経験した方がフロントで活躍されることも多々あり、これまでユニフォームしか着ていない僕には、そういう仕事にも関心があります。
今は、コーチとして自分の役割を果たすことに精いっぱいの日々です。ファームのみの球団が増えるといった話も聞きますが、現状NPBは12球団で、コーチ職の人数に限りもありますので、いつまで要請が続くかはわかりません。それを思うと、コーチという仕事以外に僕は何ができるのだろうかと考えてしまうことがあります。
堂々巡りになりがちな思考はいつも、「できるかできないかはともかく、できるだけ野球の近くにいられるようにしよう」という結論にたどり着きます。
若い頃、僕は自分から野球と距離を置きました。奇跡のような縁と運に恵まれて、帰りたいと熱望した野球の世界に戻ることができました。だからこの先、「いらない」と言われても、自分の意思で野球からの距離が遠くならないようでいたいと思うのです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら