そんな想いもあり、LSコースに入ったあめりあてゃさんでしたが、この選択が彼女の人生に思わぬ暗雲をもたらすことになります。
「中学校までは先生にも友人にも恵まれていました。ですが、高校に進んでからは真面目な子が多く、たくさん勉強をさせるLSコースの環境に疲れてしまいました。
1日8時間授業があったのですが、週5回あった授業の先生と相性がよくなくて、高校2年生の秋ごろからその授業をサボるようになってしまって……。それから学校に行くのも嫌になってしまいました」
彼女は、高校3年生に進む段階で、同じ高校の通信制コースに移ることを決断します。「母親にコースの変更を猛反対されて、2人で大泣きしながら話し合った」と当時のつらい決断を語る彼女は、レポートと数回の授業だけのコースで高校生活最後の1年を過ごしながら、ほとんどを予備校で勉強する受験生活を送ることになります。
しかし環境を変えたことが、彼女にはとってはプラスに働いたようです。
宝塚歌劇団も受験した
「実は私はこの年、宝塚歌劇団も受験しているんです。私は小さいころに『ベルサイユのばら』にはまってからずっと宝塚が好きでした。だから中学3年生のときに1回受験しようとしたんですが、先生の許可が必要で、心理的に抵抗があったんです。
宝塚に入ってからトップスターになれる可能性もとても低いので、もう1つの夢だった『東大に行ったほうがいい』と思うようにして、いったん自分を納得させて泣く泣く断念したんですね。
宝塚は中学3年生から高校3年生の年齢までの4回しか受験資格がないのでもう自分には縁のないことだと思っていたのですが、通信の先生が『一度も受けないと後悔するよ』って言ってくれたので、受けることができました。結果はダメでしたが、受験することができて未練がなくなったのでよかったなと思います」
心残りを解消できた彼女は、得意だった英語を中心に、全体的な学力を上げることに時間を使えたそうです。もともと「高校1年生のときは基本的に順位は学年5位以内で、文系・理系に分かれた2年生になってからは文系で1位でした」と語るように成績は学校のトップクラスだった彼女は、東京大学を志望校に設定して、1年間予備校に通い、受験勉強を重ねました。
しかし、この年の12月にはもう、浪人を悟ったそうです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら