「会社にこき使われやすい人」に共通する視点 共感目標をチームに浸透させるのに必要なこと

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会社に使われているという自意識を持つ人に、共通することがあります。それは、目標に対してアレルギーがあることです。

個人でも組織でも、目標を掲げるからこそ成長することができます。理想の未来像があるからこそ、そこに到達するために辛いことや苦しいことも乗り越えようと努力することができます。つまりチームづくりを行っていくために、「目標」は欠かせないものです。しかし、その目標を拒否されたら?目標を掲げたことによって反発心を抱かれてしまったら?

成長は難しい、どころか、チームは後退してしまう可能性すらあります。

目標3.0へアップデートせよ!

私は、上司としてチームを運営していくにあたり「目標」をとても重視しています。チームの強さは、目標との関わりによって決まると断言できます。

目標の大切さは、どんな時代でもどんなチームでも同じですが、組織の形や一人ひとりの価値観も多様する今、目標のあり方はアップデートしていく必要があります。

●目標1.0 … 他人目標

他者目標とは、その名の通り、他者から与えられた目標です。会社から、あるいは上司から押し付けられ、「やれ」と言われるからしぶしぶ受け入れるものです。見返りとして「給料」が得られますが、他者目標ではどうしても「やらされ感」が拭えません。

「とにかく、やれ」とトップダウン型の組織に根付くよく残っており、まさに社畜マインドの人の目標アレルギーを生んでいる原因です。

●目標2.0 … 利己目標

次の段階は、自分のための目標です。部下を動かすために、部下自身の欲求を利用し「良い生活ができる」「良い車が買える」「注目を浴びられる」など、利己的な目標を提示してたきつけるやり方です。

本人のやる気は上がりますが、自分を中心に考える人が集まる集団は一体感に欠けます。同じチームのメンバーを仲間どころか、敵とみなす人も現れ、チームとしては弱体化する危険性をはらんでいます。利己目標の追求は、「勝ち組と負け組」「成り上がり」などを生む原因にもなります。

●目標3.0 … 共感目標

今の時代に求められているのが、チームメンバーみんなで目指す共感目標です。会社から押し付けられたものでも、個々人の欲求でもなく、全員が心から目指したい、と思えるような目標です。

共感目標をチームに浸透させるためには、今自分たちがどこに向かっているかを示して、それがどのように社会やお客様のためになっているかを考え、自分自身にとっても嬉しいことだと確かめながら共有していきます。

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