「甘やかされて育った少女」に訪れた恐るべき結末 習得が難しい「人の気持ちがわかる」という能力

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それでは、どのようなおこづかい制度がいいのでしょうか。どのタイミングで、どのくらいの金額を渡すのがいいかというのは、各家庭の価値観や事情によるので一概には言えません。

ただ、ポイントとなるのは「話し合い」と「契約(約束)」です。どのようなものを親が支払い、おこづかいは何に使うのか。親子で話し合って決めることです。

たとえば、文具や参考書など学習に必要なものは、親が必要な都度購入する。日常的な遊び、趣味に使うものは月額いくらのおこづかいでまかなう。おこづかいでは足りない高額なものについては、なぜ必要かを話し、交渉し、一緒に検討する。

親が一方的に決めると不満が出やすいですが、話し合いのプロセスを経ることで納得感が出ます。また、約束することも大事です。ルールに沿って運用するのを基本にしないと、そのときの気分で要求を叶えたり叶えなかったりすることになります。「今日は気分がいいからおこづかいを倍にしてあげよう」「さっき言うことを聞かなかったからおこづかいはナシ」などということがまかり通ってはいけません。

「話し合い」と「契約」、ときに「交渉」は、社会で生活していく中では必須事項です。おこづかいはその練習になると考えてはどうでしょうか?

甘やかしと原始的犯罪「強盗」

甘やかすことができるのは、経済的にも余裕があり、子どもの数が少ないといった背景もあるでしょう。余裕がなければ子どもの要求に応え続けるのは難しいはずです。

外からは、「あんなに愛情をかけてもらって、お金もかけてもらっていいなぁ」と見えるかもしれません。ナルミも、お金持ちの一人っ子。何不自由なく育てられ、華やかな雰囲気を持っていました。「うらやましいな」と思う人もいたと思います。

しかし、自立できていないということは大きなリスクなのです。いまは余裕があって甘やかすことができていても、余裕がなくなることだってあります。いつまでも親が保護できるわけではありません。子どもの要求に応えたくても、応えられないときは必ず来ます。

ある刑務所で、極度の甘やかし型で育った男性受刑者Kに会いました。Kの親は地元の名士で、多くの不動産を所有していました。働かなくても毎月かなりの収入があり、Kは遊んで暮らしていました。銀座の高級飲食店に出入りし、高級車4台のほかヨット、ジェットスキーも所有。友人を集めては奢るという生活です。

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