「甘やかされて育った少女」に訪れた恐るべき結末 習得が難しい「人の気持ちがわかる」という能力
「お嬢様」ナルミのケース
ナルミはいわゆる「お嬢様」だ。立派な門がまえ、庭園のような庭のある家。両親と、同居している祖父母からの寵愛を一身に受け、何不自由なく暮らしていた。
母方の祖父は創業社長で、一財をなすだけの成功をしていた。地域でも有名な資産家である。
祖父母には子どもがひとりしかおらず、それがナルミの母親だ。自由気ままな母親は会社を継ぐ気がなく、婿養子を迎え入れた。おとなしく、言われたことを何でもこなすタイプの父親は、祖父に気に入られたのだった。現在はナルミの父親が社長なのだが、実質的には祖父のワンマン経営が続いている状態である。
家庭の中でも祖父の存在感は強く、誰も頭が上がらない。母親はと言えば、自分が遊びたい気持ちが強く、家庭より趣味を優先しがちなところがあった。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら