教育委員会から相談殺到「人生100年時代の学び」 アントレプレナーシップを醸成する本当の教育

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過去の学びは、上から下へ流すインプットでした。しかし、本来の学びは、インプットしたところから始まります。

教わり、体験し、インプットするというきっかけができたら、それを実践してみる。そして、振り返って気づきを得て、次にいかす。体験したことの振り返りこそが、気づきの回数や学びの軸になっていくでしょう。

このプロセスをくり返す限り、気づきは翌日になれば大きくなり、その翌日になれば、さらにと指数関数的に広がっていきます。それは、学びがライフそのものになるということでもあります。

何歳からでもやりたいことを始めればいい

日本の教育や社会制度の中で過ごしていると、「なにかをやるため」のテクニカルな問題を「できない理由」にしたがる人が多くなるものです。

『16歳からのライフ・シフト』の特設サイトはこちら(画像をクリックするとジャンプします)

人生100年時代は、80歳ぐらいまで働くことになります。しかし、「やりたいこと」を考えないで生きてきた結果、高齢になって「やりたいことがない」思考停止状態になり、そのまま引退後の20年を過ごすことになる。それはもったいないでしょう。

何歳からでもやりたいことを始めればいい。僕自身、銀行員としてキャリアをスタートし、15年程前までは、今のような人間ではありませんでした。

今、アントレプレナーシップ教育が注目を浴び、教育委員会や行政から相談が殺到しています。個別の対応には限界がありますから、今後はサステイナブルに再生産できるものにするという意味で、ビジネスにしていかなければと思っているところです。

ベースキャンプとしての「Musashino Valley」を作り、そこに集まる各地の人たちと一緒に日本にアントレプレナーシップ教育を広げる。地方が盛り上がることは大事です。日本の人々が、思いを持って元気でいきいき輝いてほしい。それが僕の夢なんです。

伊藤 羊一 武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長

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いとう よういち / Yoichi Ito

アントレプレナーシップを抱き、世界をより良いものにするために活動する次世代リーダーを育成するスペシャリスト。2021年に武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)を開設し学部長に就任。2023年6月にスタートアップスタジオ「Musashino Valley」をオープン。「次のステップ」に踏み出そうとするすべての人を支援する。また、Zアカデミア学長として次世代リーダー開発を行う。代表作「1分で話せ」は60万部のベストセラーに。

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