なぜ?ポケモンが「睡眠アプリに参入」の3つの狙い 発表から4年、スマートウォッチから出遅れた感

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1つ目は「ゲーミフィケーション」だ。これは生活や仕事の動作をゲーム化しておもしろくするというものである。

映画『メリー・ポピンズ』の「A Spoonful of Sugar」のように、仕事や雑事をゲームとして捉えられれば楽しく行えるし、効率もよくなる。面倒に思いながらしぶしぶやるよりも何倍もいいだろう。

2つ目は、睡眠時間が増えること自体の価値だ。当然ながら、睡眠は健康に大きく関わってくる。健康状態の維持は個人の幸福にも国の活力にも繋がるわけで、きちんと眠ったほうがいいに決まっている。そのためには睡眠を記録することが重要になるわけだ。

そしてもちろん、こういった生活に密接したゲームを出すことで、人々がポケモンに親しみを持つ可能性が増える。つまり、ポケモンというIP(知的財産)そのものの認知度を増す効果が3つ目のメリットとなる。

いわば『Pokémon Sleep』は、ゲームのおもしろさを日常生活に活かし、健康増進やポケモンというIPの強化にもつながりうる作品なのである。単なるゲームの枠を越えようとする試みの1つといえるだろう。

睡眠測定アプリとしては出遅れた感

とはいえ、『Pokémon Sleep』に懸念点がないわけではない。本作は発表から4年も経ってしまったこともあり、睡眠測定アプリとしては出遅れた感もある。

現在はApple WatchやFitbitといったスマートウォッチで睡眠トラッキングを行うことができる。スマートウォッチの場合は睡眠中の心拍数・呼吸数の記録もできるうえ、睡眠時にこれといった操作をしなくてもよい。すでに使っているという人からすれば『Pokémon Sleep』に乗り換える理由は、「ゲームとして遊びたいから」くらいのものだろう。なお、今のところスマートウォッチのヘルスケア機能との連携はないようだ。

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