さらに「叱責」は、相手を「闘争モード」にも追い込みます。
世界的なベストセラー『学習する組織』の著者、ピーター・センゲ氏は「人は、変わることに抵抗するのではなく、変えられることに抵抗するのだ」と述べていますが、誰かに「こうしろ」と強制されることを極端に嫌がります。
自由を制限された際に、それに必死で抗おうとする「心理的リアクタンス」という状態に陥ってしまうのです。
相手への「批判・攻撃・敵愾心」は自らへの攻撃としてブーメランのように戻ってくる。つまり、叱りつけることは、相手の反抗心に火をつけ、逆の行動をとらせるだけの結果になりやすいということです。
「自主性・成長の機会を奪い、人格を壊す」最低のやり方
ただ、正直にいえば、相手に恐怖を覚えさせるような言葉で、叱りつけることは一時的に相手をコントロールすることには効果を発揮します。
恐怖で相手を支配し、操る、これは多くの独裁者が使う手法ですが、部下や子どもに使うことは絶対におすすめしません。
禁止されることが多く、命令に従っているうちに自分で判断や行動をしなくなる「プリゾニゼーション(刑務所化)」という現象がありますが、まさに「叱りつけ」による支配は部下や子どもの考える力、自主性や成長の機会を奪い、人格を壊す最低のやり方だからです。
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