実際、脳科学的・心理学的には「『叱る』は百害あって一利なし」というのが真実です。
たとえば、次のようなケースです。
(アメリカ・ケース・ウェスタン・リザーブ大学の研究)
(2020年の『Journal of Educational Psychology』誌掲載の研究)
(『Journal of Sport Behavior』誌掲載の研究)
このように、「否定的なフィードバックや批判、つまり、『叱る行為』は相手を嫌な気分にするだけで効果がない」ということがあらゆる科学的研究から明らかになっています。
命にかかわる大事な局面でも「厳しく叱る」のはアウト
「いやいや、とはいえ、命にかかわるような大事な局面では、厳しく叱る必要があるだろう」というご意見もあるかもしれません。
しかし、たとえば、「手術室で執刀する先輩医師が、ミスを犯した後輩医師を叱りつける」「飛行機のコックピットの中で、副機長の間違いを機長が厳しく叱る」のも、どちらもアウトというのが、最近の定説になっています。
こうした叱責は将来的に、間違いを犯した人が、それを隠蔽しようとするリスクを高めたり、上長の間違いも指摘できなくなったりしてしまうからだそうです。


















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