水虫の塗り薬は、一般用医薬品として薬局やドラッグストアで購入できる。医療用と同じ成分の製品もあるので有効に利用したいが、水虫とは別の病気の可能性も念頭に置いておきたい。「2週間程度使用しても症状がよくならないときや、逆に赤みやかゆみが強くなったときは、皮膚科を受診しましょう」と福田医師はアドバイスする。
最後に、水虫にかからないため、あるいは他の人にうつさないための日常生活の注意をまとめておこう。ポイントは、“水虫菌の感染が成立するまでに半日~1日かかる”という点だ。
「感染が成立しかけていても、よく洗えば菌は落ちます。石けんなどをよく泡立て、皮膚の表面をていねいに洗います。指の間もしっかりと。洗った後は、特に指の間に拭き残しがないように、水気をタオルでしっかり拭き取ります」(福田医師)
温泉、サウナ、スポーツジムを利用した後は、水虫菌が付着しているものと考え、帰宅したら足をていねいに洗う習慣をつけておきたい。
感染リスクを高める皮膚の傷については、深爪などに気を付ける。足のひび割れも厳密には傷ではないが感染のリスクを高めてしまう。予防するために保湿ケアも大切だ。
靴やブーツを水虫から守る方法
また、感染に影響する温度と湿度にも注意を。特に湿度が重要で、靴は見過ごせない問題だ。
「日本人が靴を履くようになって以降、水虫は増えたといわれます。女性の水虫患者が増えたのも、社会進出によって革の靴を履いている時間が増えたことが要因の1つ。水虫菌にとっては『感染機会が男女均等になった』と考えられます」(福田医師)
そのほか、日常的な注意点、洗濯の仕方などについては以下の通りだ。
「靴の対策は、まず靴の中に鱗屑を残さないこと。1日履いたら、陰干しして、水分を飛ばします。靴の中側が乾燥するまでに2日間かかるので、少なくとも3足をローテーションするとよいでしょう」(福田医師)
特にブーツは内部の湿度が高く、「水虫菌に最高の環境」。その構造からしても、乾燥させるのに時間がかかる。だからこそ、使う機会がない今のタイミングで、しっかりと乾燥させておきたい。
(取材・文/佐賀 健)
福田知雄医師
1987年、慶應義塾大学医学部卒業、慶應義塾大学医学部皮膚科入局。国立東京第二病院皮膚科、杏林大学医学部皮膚科講師、東京医療センター皮膚科医長を経て2016年より現職。専門は皮膚真菌症、皮膚腫瘍。
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