80歳までに3人に1人はかかるといわれる帯状疱疹。水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こる病気で高齢者に多いが、意外なことに最近は20~40代の比較的若い世代で急増しているという。背景にあるのは何か。奈良県立医科大学皮膚科学教室教授の浅田秀夫医師に聞いた。
年々増加している帯状疱疹。年齢を重ねるほどかかりやすくなる病気なので、人口の高齢化によって増加するのは自然なことだ。しかし近年は、20~40代での増加が目立つ。帯状疱疹の大規模疫学調査「宮崎スタディ」によると、2012~2014年に比べて2015~2017年は、30代前後の発症率が特に増加している。
その理由として考えられるのが、なんと「水ぼうそうにかかる子どもが激減している」ことだというのだ。
水ぼうそうが治ってもウィルスは潜伏
帯状疱疹は、体に帯状の発疹(赤く盛り上がったブツブツ)が広がる病気で、発疹が出る2~3日前から痛みが生じる。原因は「水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルス」で、初めて感染したときには「水ぼうそう(水痘)」として発症する。
水ぼうそうは一般的に10歳までにかかるが、ウイルスは水ぼうそうが治ったあとも体から消えずに、神経に潜伏し続ける。そのウイルスが何らかのきっかけで再び活動を開始すると帯状疱疹を発症する。
なぜ、水ぼうそうにかかる子どもが減ると、帯状疱疹になる大人が増えるのか。浅田医師はこう説明する。
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