「気象病は病名ではなく、保険診療としての病名は存在しません。そのため、専門に診ている医師がそもそも少なく、全国でも数えられるほど。ただ、潜在的な患者さんは多いと思われます。実際、温度差や湿度、なかでも気圧の変化にともなって、頭痛、めまい、全身倦怠感などさまざまな症状を訴え、当院を受診する人は年々増えています」
と久手堅司さん。
自身は脳神経内科が専門であることから、8割以上が頭痛を訴えて来院する患者だ。「頭痛でいうと、片頭痛と緊張型頭痛は天気が悪くなると症状が悪化することが多い」と話す。
頭痛に限らず、めまいや全身倦怠感以外、吐き気、首・肩のこり、低血圧、関節痛、古傷の痛み、手足のしびれ、抑うつ症状、ぜんそく発作……と、さまざまな症状がみられるのが気象病の特徴だ。
“怠け病”のようにみられてつらい
「原因がわからないため“様子を見ましょう”と治療してもらえなかったり、症状を抑える薬を処方されたりするだけ。理解してもらえないのがつらいと訴える患者さんは少なくありません。周囲の人の理解が得られにくいからか、“怠け病”のようにみられることが本人にとってはかなりしんどいようです」(久手堅さん)
天気の良い日はケロッとしていたりするので、なおさらだという。
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