そして、一番強い症状により「片頭痛タイプ」「めまいタイプ」などタイプ分けをする。また、気圧で不調が出やすいのか、寒暖差で不調が出やすいのかなど原因別にも分けて対処していくという。
治療は、頭痛なら鎮痛薬、めまいなら抗めまい薬など、それぞれの症状を取り除く対症療法として薬を処方する場合もあるが、根本的には生活習慣の修正が大事だという。
というのも、そもそも不調には根本的な原因があり、“天気が悪いから体調が悪い”と不調の原因を気象のせいにしていても、何も問題は解決しないからだ。
「ですから、まずは不調の原因を探って、たとえばスマホの使いすぎで首や肩を悪くしているような人なら、まずそれを是正するよう指導します。睡眠障害があるなら、深夜までパソコンやスマホでブルーライトを浴びていないかとか、食事の内容が偏っていないかとか、そういうところもチェックして改善してもらいます。
そのうえで不調を助長させてしまう気象の変化に対するケアをお伝えするようにしています」(久手堅さん)
気象の変化にはどう対応すればいい?
では、気象の変化にはどのように対応すればいいのだろうか。
「まず、天気の影響で症状が出たり、ひどくなったりすると感じている人は、どのタイミングで不調になったかを客観的に検証してみることが大事です。天気と症状をリンクさせた日記などをつけるといいでしょう」
と久手堅さんはアドバイスする。
天気予報で見るべきポイントは、雨から晴れ、晴れから雨など、真逆な天気の変化があるかどうか。台風や線状降水帯のような大きく気圧が変わりそうな天気の予報があるかどうか。
そして、四季の変わり目での温度差も要チェックだ。だんだん温かくなる3〜4月、梅雨明けから9月頃、寒くなる10〜12月頃は、当日、前日と当日、週単位の最低最高気温の差に気を遣うべきだという。7度以上の寒暖差は、体温調節に使うエネルギー消費が大きくなり不調が出やすいためだ。
どんなときに体調が崩れるか、その傾向がわかったら、そのうえで週間天気予報などをチェックして、自分の体調が悪くなりそうな日はハードなスケジュールを入れない、といった対応をしていく。
気圧予報で体調を管理できる「頭痛ーる」という無料アプリもある。気圧の変化での体調不良が起こる時間帯が確認でき、痛みや服薬を記録できる気象病対策として有用だ。
さらに、普段から自分の体をきちんとメンテナンスしておくことも重要だ。私たち人間の体は気象に限らず大きな変化に弱く、逆に規則正しい生活を送ることで、体調が安定する。適切な食生活や睡眠、運動など、規則正しい生活を送ることを心がけたい。
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