【水虫】スリッパ・バスマット、家庭内感染の盲点 大事なのは再発予防、薬の塗り方・塗る期間は?

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一口に水虫と言っても3つのタイプがある。趾間(しかん)型、小水疱型、角質増殖型(角化型とも呼ばれる)だ。タイプによって見た目や症状が異なり、次のような特徴がある(写真はいずれも福田医師提供)。

■趾間型

趾は足の指のこと。足の指の間が赤くなる。ふやけて、ジクジクする。かゆみが強いことも

 

 

■小水疱型

土踏まず、または足裏全体に小さな水ぶくれが多発する。かゆみを伴う

 

 

■角質増殖型(角化型)

足裏からかかとにかけて、皮膚が厚く、乾燥する。かゆみはほとんどない

このように、「水虫」の名のごとく、湿ってジクジクした病変もある一方で、角質増殖型は真逆ともいえる状態だ。

多くは趾間型か小水疱型から始まり、適切な治療を受けなかったことで時間が経つにつれ皮膚が厚くなり、角質増殖型に進むパターン。症状はかゆみが多いと思われるが、「かゆみを訴える患者さんは半分もいない。特に角質増殖型ではかゆみはほとんどありません」と福田医師は言う。

タイムリミットは24時間

水虫は、家庭では共有のバスマットやスリッパなどを介して患者から家族に広がる。温泉やサウナ、スポーツジムといった施設では、素足で歩く場所にある床やバスマットなどで、ほかの利用者から感染する。

特に、水虫患者の足の皮膚からポロポロと落ちた鱗屑(りんせつ)には注意が必要だ。そこには無数の水虫菌が潜んでいるため、水虫菌をまき散らして、家族や他人に感染させるリスクがある。

もちろん、菌が付着したら即、感染ではない。

「一般的には、水虫菌が皮膚に24時間以上付着していると、感染が成立する可能性が高まります。皮膚に傷がある場合は、皮膚内に侵入するまで12時間程度です」と福田医師は話す。その間に対処すれば感染は防げる、というわけだ(対処法について記事の後半で紹介)。

福田医師への取材を基に東洋経済作成

水虫かも……と思ったら、「まずは皮膚科へ」と福田医師。見た目や症状が水虫と似て異なる皮膚病は数多く、水虫と確定診断するには、顕微鏡による検査が欠かせないからだ。「検査を省略して治療を始めると、適切でない治療が行われ、症状を悪化させてしまう恐れがあります」。

受診先は、病院の皮膚科でもよいし、皮膚科医院・クリニックでもいい。クリニック(医院)では診療科目に“皮膚科のみ”を掲げていることが目安となる。日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医は、同学会ウェブサイトから検索できる(ウェブサイトはこちら)。

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