「不安を感じる人」の心がすっと楽になる考え方 ユング心理学で考える失敗に対する向き合い方
今の時代、誰もが不安を感じているが、多くの人にとっては漠然とした不安なのではないか。
ときどき表面化するけれど、普段は奥底に置いておけるもので、距離を取ったり、忘れたりしてやりすごすことができるレベルにある。でも、その不安がものすごくクリアで鮮明な形になって、人生に立ち現れてくるときがある。
不安になることを「不安に襲われる」「不安に駆られる」という言い方をするが、これらは皆、動詞の未然形に「れる」という受け身の助動詞がついた表現である。
不安というものが元来コントロールできないもので、私たちが起こすのではなく、不安のほうから私たちのところへやって来ることをよく表している。
この不安の正体について考える前に、まずユング心理学がどんなものなのか、簡単にふれておこう。
不安な時代を生き抜くための心理学
スイスの精神科医であったカール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung)が創始したユング心理学は、西欧で発展した心理学の一系譜で、日本は非西欧諸国の中でユング心理学の普及が最も成功した国の1つに数えられている。
故・河合隼雄先生を通じて知った方も多いかもしれないが、河合先生は、ユング派分析家の資格を日本人で最初に取得され、以降、平易でありながら深みのある言葉でユング心理学を日本に広めることに尽力された。
詳しい説明はここでは省くが、このユング心理学の魅力であり特徴は「個性」を重視することにある。
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