伝え手と受け手の立ち位置
伝えるコミュニケーションにおいて、じつはすごく大切なのに、意外と注目されていない目線のひとつ──それは「高さ」です。
コミュニケーションの「高さ」。簡単にいえば、伝え手と受け手との間の「意識のうえでの上下関係」のようなものですが、この目線は文章や話を「伝わる」ものにするうえで、とても重要な役割をになっています。
たとえば、的確で正しいアドバイスをメールで書いて送ったのに、まったく相手に響かないことがあります。それどころか、怒らせてしまうこともある。じつはこういうケースにも、コミュニケーションの「高さ」がかかわっていることが少なくありません。それを象徴しているのが、ときに怒った相手から吐きだされる、次のような言葉です。
「見下したような感じが気にくわない」
つまりは、伝え手が受け手よりも高い位置から言葉を発しているということ。受け手はそれを感じとるから「気にくわない」……。
というのも、コミュニケーションの「高さ」は、単なる背景ではなく、言葉づかいなどの表現にも影響を与えます。そのせいで、「高さの設定」をまちがえると、主張の是非以前に、受け手に受け入れてもらえなくなってしまうのです。
だから文章を書いたり、話をしたりするときには、あらかじめ伝え手である自分と受け手との「高さの関係性」を意識しておくことが大切です。
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