世間では「自分が伝えたいことを伝えるべきだ」とよくいわれます。
でも、本当にそれでいいのか。それで通用するのか……。
結論からいうと、残念ながら、そういつもうまくことが運ぶわけではありません。実際のコミュニケーションでは、「伝えたいこと」を伝えても相手に伝わらないのです。
子どもへの説教が伝わらない訳
いちばんわかりやすい例のひとつは説教でしょう。
たとえば、親が子どもに「勉強しないと、ろくなおとなになれない」と伝えたいとする。もしくは「自分は勉強しなかったことを後悔している」と伝えたい。そのまま伝えたところで、子どもが納得したり、共感したりすることはまずありません。
「伝えたいこと」を伝えても、伝わらない。
なぜでしょうか。最大の原因は、じつは伝えるコミュニケーションの構造そのものにあります。そもそも、伝え手の「伝えたいこと」が、受け手にすんなりとは受け入れられづらい構造のなかで、私たちはコミュニケーションをしているのです。
もっといえば、「伝えたいこと」をそのまま伝えても、納得してもらったり、共感してもらったりするどころか、受け手とのあいだに「コミュニケーションの橋」が架からない可能性すらあります。
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