いま、マーケティングの上で企業が求めているものを突き詰めていくと、多くの場合UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ。ここでは報酬やインセンティブが発生しない口コミやレビューを指す)をどう生み出すかに行き着きます。
なぜSNSにアップされないのか
1人が2人に伝えてくれれば、理論上は無限に広がります。だからたくさんの企業が「どうやったらバズるか」「SNSにアップしてくれるか」を模索しているわけです。しかし、なかなか消費者はSNSに上げてくれません。
そうして企業は「なんで拡散されないんだろう」と「商品」に理由を求めます。もちろん、商品に問題がある場合もあるとは思いますが、ほとんどの場合、そうではありません。その商品に、あるいは商品が消費される過程に、UGCが生まれる設計をしていないからです。
UGCの設計で最も有名なのが、Clubhouseです。以前、Clubhouseのアカウントを持つためには、すでに登録した人から紹介してもらう必要がありました(現在では招待制は終了)。そうした特別感もあって、爆発的にユーザーが増えました。その過程で多くのコミュニケーションが生まれ、Clubhouseのよさも広がっているわけです。
こうした視点で、「紹介」を設計に入れることもできます。例えば「友達紹介キャンペーン」というのがあります。「紹介してくれたら1000円オフ」。顧客を広げる意味では効果があると思いますが、もう少し工夫したらさらによくなると思います。
「同じ誕生月の友達に紹介したら」「家族で一緒に来店されたら」などとすれば、顧客が誰かに紹介する時点で、より多くのコミュニケーションが生まれます。単純に割引をするより、UGCが生まれる効果は高いでしょう。
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