元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」凄いワザ 「取り調べで飲み物」「仕事ぶりを聞く」の裏側

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人は社会に生きる存在だ。人類を永続させるためには、互いに助けあわなければならない。もし、私が今日、あなたに力を貸したら、あなたは明日、力を貸してくれて、おかげで私は生き延びることができるだろう。「困ったときはお互いさま」ということわざに従えば、実際に利益を得られるのだ。

私は取り調べでは、いつも何か飲み物を容疑者に用意することにしていた。このちょっとした親切は、警察や情報局の職員が広く利用している戦略だ。こちらが何かを与えれば、容疑者は「何かお返しをしなければ」という気になりやすいからだ。もちろん、こちらが望むお返しは「自白」や「機密情報の提供」だ。

同様に、レストランの接客係が勘定書にミントのキャンディを添えて客に渡せば、チップをはずんでもらいやすくなる。勘定書の裏側に自分の名前やニコニコマークを書くだけでも、客に「お返しをしたい」と思わせることができるのだ。

人は仕事の話だと重要情報を漏らしやすい

大半の人は、自分の仕事や趣味などにプライドをもっている。「毎日、こんなことをしているんだよ」と話すのが好きなのだ。よき社員であることを自負していて、それで自分の価値を証明しようとする人も多い。

また、自分には得意なことがあるのだから、有能な人間だと思っている人も多い。だから自己イメージをよくしようとすると、つい、仕事の業績などについてあれこれ喋ることになる。

たとえ仕事自体は嫌いでも、「マジで私は仕事ができなくて」「どんな仕事に就いても役立たずなんです」などと言う人はめったにいない。人間のアイデンティティは仕事と強く結びついているため、誰もが「自分はこの道のエキスパートだ」と考えがちなのだ。仕事や雇用主をけなすことはあっても、自分の仕事ぶりをけなそうものなら自己イメージが悪くなるので、そんな真似はしない。

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