しかし、テクニック次第では、さりげなく情報を引き出すことができるという。元FBI特別捜査官で数々のスパイや容疑者から情報を引き出してきた著者がそうしたテクニックを惜しみなく紹介した『元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法』(ジャック・シェーファー/マーヴィン・カーリンズ著)が刊行された。本書の訳者である栗木さつき氏の訳者あとがきと本書の本文から、一部抜粋・再構成のうえ、お届けする。
人間の心理と行動のスペシャリスト
ビジネスでもプライベートでも、こちらが知りたい情報や真意を、相手がすらすらと話してしまう方法があるとしたら? おまけに、相手は自分が情報を漏らしていることにまったく気づかないうえ、あなたに好意までもつとしたら?
そんな夢のような方法を編み出したのが、本書の著者で元FBI特別捜査官のジャック・シェーファー博士だ。FBIで15年間、スパイ防止活動とテロ対策の指揮をとり、また7年間、行動分析官として活躍した博士は、実際にスパイをリクルートしたり、テロリストに尋問を行ったり、諜報員の訓練にあたったりしながら、さまざまな情報収集術や尋問術を編み出してきた。現在はウェスタン・イリノイ大学准教授としてFBI時代に蓄積した知見を学生たちに教えている。
まさに人間の心理と行動のスペシャリストといえる博士が本書で惜しみなく紹介しているのが「引き出し法」だ。これは、相手がこちらを警戒し、ウソをついたり心理的な盾を構えたりする前に情報を聞き出す方法だが、べつに質問をたたみかけるわけではない。ごく自然な流れで会話を続けるだけなので、相手はいっさい不審に思わないうえ、あなたに好意をもち、またあなたに会いたいとまで思うようになる。
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