ライバル社の企業秘密をさりげなく引き出す方法 元FBI捜査官が教える実証済み心理テクニック

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
こうして、ジョージはまったく自覚しないまま、自社の入札に関する貴重な情報を、ライバル社の社員に漏らしてしまった。
範囲を限定するテクニックは、数字や日付などを聞き出したいときに最も効果を発揮するし、個人情報や、生年月日や暗証番号といったデリケートな情報、さらに販売価格やコストを聞き出す際にも有効だ。
つまり残念なことに、抜け目のない詐欺師たちは引き出し法を悪用して、他人の社会保障番号や電話番号、キャッシュカードの暗証番号、住所といった情報を巧みに聞き出すことがあるのだ。こうして露ほども疑わずに重要な情報を漏らしてしまった相手より優位に立ち、入手した情報を違法に悪用する輩がいるので、くれぐれも気をつけてもらいたい。

ビジネスだけでなくプライベートでも役立つテクニック

この引き出し法はビジネスの場で威力を発揮するだけではなく、プライベートでも大いに役に立つ。ティーンの子どもの真意を知りたいとき、配偶者や恋人の本心を知りたいときにも利用できる。つまり、プライベートでもビジネスの場でも対人関係を強化できるのだ。

何か問題が生じたとしても、相手が腹の底で考えていることがわかれば、問題解決に向けた手がかりを得られる。そうすれば話し合いを終えたあと、「実にフェアな決断をくだせた」「関係者全員が納得できる結論に達した」と、相手は満足してその場をあとにする。相手のことをよく知れば知るほど、対人関係はうまくいき、親密な雰囲気のなかで有意義な会話ができるようになり、絆が強まるのだと、著者は述べている。

たしかに、会社の同僚、取引先、友人、家族といった人たちが胸の内で考えていることを推し量るのは難しい。だからこそ、相手の本心や正直な思いがわかれば、わだかまりが解け、互いに満足できる関係を結べるようになるはずだ。

また本書を読めば、相手が引き出し法を利用して会話を進めてきた場合の防御法を知ることもできる。あ、いま、情報を引き出されているな。巧みに会話を誘導されているな。そう感じたときに、どう対応すればいいかもしっかりと説明されているので、ぜひ参考にしてもらいたい。

引き出し法のテクニックを読者のみなさんが活用し、円滑な人間関係を築き、充実した日々を送られることを心から願っている。

栗木 さつき 翻訳家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

くりき さつき / Satsuki Kuriki

慶應義塾大学経済学部卒業。訳書に『元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法』(大和書房)、『超一流の諜報員が教えるCIA式極秘心理術:ビジネススキルはインテリジェンスの最高峰から学べ』『ハーバードの人の心をつかむ力』『SINGLE TASK 一点集中術:「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる』『バレットジャーナル:人生を変えるノート術』(以上、ダイヤモンド社)、『Numbers Don't Lie:世界のリアルは「数字」でつかめ!』(共訳、NHK出版)、『わたしは無敵の女の子』(海と月社)などがある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事