しかし、お世辞を言わなくても、テクニック次第で、相手を気分良くさせて「好感度アップ」が狙える方法があるという。元FBI特別捜査官で数々のスパイや容疑者から情報を引き出してきた著者がそうしたテクニックを惜しみなく紹介した『元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法』(ジャック・シェーファー/マーヴィン・カーリンズ著)が刊行された。相手を気分良くさせて、信頼関係を築く方法を本書から一部抜粋・編集して、お届けする。
お世辞が逆効果になることも
好感度アップするには人を褒めるのが効果的だ。ただし、あなたの褒め言葉がウソ臭いと思われたり、何か下心があってお世辞を言っているのではと勘繰られたりしたら、逆効果。相手はあなたにネガティブな印象をもつことになる。他人に操られたり、ウソをつかれたりして、いい気分になる人はいない。
たとえば、誰かに「○○がお上手ですね」とお世辞を言ったとしよう。ところが相手は、それが不得手であると自覚していれば「なぜこの人はわざわざこんなお世辞を言うのだろう?」と疑問に思う。あなたの評価と自分の評価が一致しないのは一目瞭然だからだ。
これを避けるには、相手に「自分自身を褒めさせるテクニック」を使えばいい。こうすれば、お世辞を言って不快に思われる危険もないし、相手の自尊心をくすぐっていい気分になってもらえるうえ、怒りを買うおそれもない。相手が「自分を褒める」ときに、あなたの誠意の有無は関係ない。
そして、人は「自分を褒める機会」を与えられれば、喜んで自画自賛する(その機会を、あなたがタイミングよく提供するというわけだ)。
自分を褒めさせるコツは、相手の個性やなし遂げたことを把握し、「よく頑張っていますね」「すごいですね」と背中を押すようなフレーズを言うことだ。人は自尊心をくすぐられると「いい気分」になり、その結果あなたに好感をもつ。次に、自分を褒めさせる具体的な例を紹介しよう。