三菱ふそうの電動トラック新型「eCANTER」の進化 BEV専用プラットフォームで変わった走りの質

✎ 1〜 ✎ 105 ✎ 106 ✎ 107 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
メーター
新型eCanterのメーター(筆者撮影)

ただし、油圧ブレーキとの完全連動はしておらず、ゆえに回生ブレーキだけでは車速は0にならない。バッテリーの充電状態にもよるが、およそ15㎞/hで回生ブレーキ力がなくなるので、完全停止にはドライバーによるブレーキ操作が必要だ。

海外でも新型eCanterを展開

エンブレム
eCanterのエンブレム(筆者撮影)

三菱ふそうは2023年5月23日、三菱ふそうトラック・ヨーロッパのトラマガル工場で欧州市場向けの新型eCanterの量産を開始した。日本市場向けの28型式に加えて、欧州向けに42型式を新たに展開、将来的には海外市場全体で100以上の型式をそろえていくという。また同社は5月26日に、オーストラリアで2023年第4四半期から新型eCANTERの受注を開始すると発表した。

昨今、普及が進む電動化車両は「BEVシフト」の表れだとする向きがある。たしかにBEVには前向きな話題が多い。しかし筆者は、乗り物社会から内燃機関(ICE)を完全排除する必要はないと考える。ICEでもCN化社会が目指せるからだ。

このあたりは2023年5月に広島市で行われた先進7カ国首脳会議(G7サミット)の声明に、「BEV含む複数の手段で脱炭素化を目指す」と織り込まれていることからも明らかだ。この「複数の手段」にはHVや合成燃料などによるICEも含まれる。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

ICEとBEV含めた電動車両が国と地域ごとに、求められる比率で普及する、つまり「EVジョイン」のスタイルが現実的な解となる。そのうえで24時間/365日稼働する電動商用車から得られる知見や技術が、世界の乗用車にも活かされると期待したい。

 

この記事の画像を見る(14枚)
西村 直人 交通コメンテーター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事