ただし、油圧ブレーキとの完全連動はしておらず、ゆえに回生ブレーキだけでは車速は0にならない。バッテリーの充電状態にもよるが、およそ15㎞/hで回生ブレーキ力がなくなるので、完全停止にはドライバーによるブレーキ操作が必要だ。
海外でも新型eCanterを展開
三菱ふそうは2023年5月23日、三菱ふそうトラック・ヨーロッパのトラマガル工場で欧州市場向けの新型eCanterの量産を開始した。日本市場向けの28型式に加えて、欧州向けに42型式を新たに展開、将来的には海外市場全体で100以上の型式をそろえていくという。また同社は5月26日に、オーストラリアで2023年第4四半期から新型eCANTERの受注を開始すると発表した。
昨今、普及が進む電動化車両は「BEVシフト」の表れだとする向きがある。たしかにBEVには前向きな話題が多い。しかし筆者は、乗り物社会から内燃機関(ICE)を完全排除する必要はないと考える。ICEでもCN化社会が目指せるからだ。
このあたりは2023年5月に広島市で行われた先進7カ国首脳会議(G7サミット)の声明に、「BEV含む複数の手段で脱炭素化を目指す」と織り込まれていることからも明らかだ。この「複数の手段」にはHVや合成燃料などによるICEも含まれる。
ICEとBEV含めた電動車両が国と地域ごとに、求められる比率で普及する、つまり「EVジョイン」のスタイルが現実的な解となる。そのうえで24時間/365日稼働する電動商用車から得られる知見や技術が、世界の乗用車にも活かされると期待したい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら