三菱ふそうの電動トラック新型「eCANTER」の進化 BEV専用プラットフォームで変わった走りの質

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電気小型トラック「eCanter」新型モデル
2023年3月9日にフルモデルチェンジした電気小型トラック「eCanter」新型モデル(筆者撮影)

「電動化でなければクルマにあらず」。こうした行き過ぎた意見が一部にある。たしかに、乗り物の電動化は広義の意味でCN(カーボンニュートラル)化社会に近づく有効策だ。

もっとも、机上の空論にしないためには、動力源となる電力を、炭素の排出を抑え継続的に生み出す必要がある。その際、安定供給の要である同時同量も不可欠だ。課題は多いが越えられないハードルではない。

商用車の世界でも進む電動化の波

乗用車の世界ではBEV(電気自動車)を筆頭にHV(ハイブリッド車)やFCEV(燃料電池車)を含む「電動化車両」の普及が進む。そして、この電動化の波は商用車の世界にも、この先、本格的に訪れる。

なぜなら、走行時にCO2を排出しない働くクルマが世界中で求められているからだ。消費財である乗用車に対して、商用車は生産財である。よって普及ともなれば導入コストの大部分を占める車両価格にはじまり、メンテナンス費用、そして導入車両が電気トラックであれば電費数値をもとにした電力費用などランニングコストが注目される。

生産財の世界では、必要な費用をまとめて考慮する「TCO/Total Cost of Ownership/総所有コスト」と呼ばれる尺度が重要で、これを重視しなければ商用車でのBEV、いわゆる電気トラックの普及はむずかしい。

電動化となれば乗用車と同じく、商用車においても車両価格が上昇する。電動化の要であり、製造コストや走行性能を左右する「バッテリー/モーター/インバーター(パワーコントロールユニット)」が高額だからだ。加えて、重い荷物を運ぶ電気トラックとなれば、積載量に応じて搭載すべき2次バッテリー容量も大きくなるからさらに高額になる。

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