三菱ふそうの電動トラック新型「eCANTER」の進化 BEV専用プラットフォームで変わった走りの質

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バッテリー
実際にeCanterに搭載されているバッテリー(筆者撮影)

1充電あたりの航続可能距離であるAER(All Electric Range)はボディサイズ(標準幅キャブとワイドキャブ&EX拡幅キャブ)で異なる。

標準幅キャブの場合、Sサイズ(1個/41.0kWh)で116㎞、Mサイズ(2個/82.0kWh)で236㎞。ワイドキャブの場合は、S/99㎞、M/213㎞、L/324㎞だ。324㎞走行可能な2次バッテリーを3個搭載するLサイズ(3個/124.0kWh)の設定は、ワイドキャブ&EX拡幅キャブのみで標準キャブには設定がない。

駆動モーターの出力とトルクはGVWで異なる。最大積載量3.0tまでのGVW5.0t/6.5tクラスの場合、定格出力115PS(最高出力150PS)、最大トルク430N・m。最大積載量3.55tまでのGVW7.5t/8tクラスの場合、定格出力150PS(最高出力175PS)、最大トルク430N・m。

2次バッテリーへの充電方式は2種類。AC普通充電(6kW)のほか、DC急速充電(チャデモ規格で50kWあるいは70kW)にも対応する。充電時間は普通/急速の順でS1個:8時間/50分あるいは40分、M2個:16時間/95分あるいは65分、L3個:23時間/150分あるいは90分(時間は概算値)。

3種類のeCANTERに試乗

新型eCanter
今回用意されていた新型eCanter(筆者撮影)

今回は3種類の新型eCANTERに試乗した。便宜上、GVWごとにS車両(2次バッテリー1個でGVW4500kg)、M車両(同2個で同5020kg)、L車両(同3個で同6930kg)とする。

ただし、試乗といっても今回は味見程度で、充電時間と研究所内での制約から、直線路と登坂路に限定した1回5分程度の短時間試乗にとどめられた。この先、ナンバープレートを装着した段階で公道試乗が予定されており詳細は別の機会に譲るとして、今回は従来型eCANTERとの違いを中心に紹介したい。

筆者による試乗テーマは次の3点。小型トラックが活躍するシーンで頻繁に体感する、①発進&停止、②微速での走行フィール、③登坂路での発進加速と降坂路での回生ブレーキ。ここで新型の優位性を探ってみた。

テーマごとの評価ポイントは、①/積荷に影響を与えないじんわりとした発進ができて、回生ブレーキと連動した制動ができるかに注目した。②/中間加速域でのアクセルワークに対する追従性を確認。③/モーターの力強さ(増速具合)と、回生ブレーキの強さ(減速具合)を調べた。

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