2023年1月10日から発売を開始した5代目「プリウス」(PHEVモデルは3月15日より発売)。コロナ禍による納車遅れはいまだ解消されないが、徐々に街中でも見かけるようになった。トヨタによるとHV(ハイブリッド車)3台でBEV(電気自動車)1台ぶんのCO2削減効果があるという。1997年の初代プリウス発売以降、トヨタはHVを世界で2250万台販売したのでBEV750万台に相当するCO2を削減したことになる。
その新型プリウスに公道とサーキットの両方で試乗した。我々メディアを対象にした試乗は今回のように公道のほか、発売前にはプロトタイプ車両を用いてクローズドエリアであるサーキットでも行う。
もっとも、飛ばすだけが目的ではなくコース内の要所にはパイロンが置かれており、あくまでも公道を模した試乗スタイルが貫かれる。じっくり、安全に、新型車と向き合う場でもある。
前評判どおり、新しいプリウスの走りっぷりは活発だ。従来から制御を刷新した1.8Lハイブリッドモデル(1.8HV/法人およびサブスク向け)に加え、専用設定の2.0Lハイブリッドモデル(2.0HV)、そして2.0Lプラグインハイブリッドモデル(2.0PHEV)があり、いずれも前輪駆動(FFモデル)を基本に、1.8HVと2.0HVにはE-Fourと呼ばれる後輪に独立モーターを配した4WDモデルを用意した。
このうち筆者のおすすめは2.0HVのFFモデルと2.0PHEVだ。同じ2.0Lながらエンジン/電動駆動モーターの出力特性は大きく異なり2.0PHEVが全域で力強い。掛け値なしでスポーツモデル級の走行性能をもつ。
2.0HVの公道試乗での印象
公道試乗は神奈川県横浜市・みなとみらい地区を起点にして行った。2.0HVは終始、乗り味が滑らかだ。EV走行(エンジンを停止させたBEV走行状態)のマナーも良く、エンジンが始動するかしないかの領域を保ちやすい。一般的なドライバーがアクセルを踏み込む開度(量)は50%以下が80%以上と言われるが、こうした場面ではまるでBEVのように走る。
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