三菱ふそうの電動トラック新型「eCANTER」の進化 BEV専用プラットフォームで変わった走りの質

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また、現在主力の2次バッテリーには、31元素とも47元素とも定義されるレアメタルが用いられる。そのためレアメタルを含まない、もしくは使用料を大幅に抑えた次世代バッテリーの普及が進むまでは、やはり高値安定が続くという見方が濃厚だ。

2代目になった新型「eCANTER」の進化

車両ランナップを拡大し、多用な輸送ニーズに対応した新世代EVトラック新型eCaner(筆者撮影)

ダイムラートラックAG傘下である商用車メーカー「三菱ふそう」は、2017年に同社のディーゼルエンジンを搭載する小型トラック「キャンター」をBEV化した電気トラック「eCANTER」の販売を日本から開始した。その後、欧州、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドにおいて販売され、グローバルでの累計販売台数は550台以上、累計走行距離は800万kmにおよぶ。

そのeCANTERの2代目が2023年3月9日に日本で発売を開始した。従来型で好評だった走行性能を大幅に引き上げつつ、市場からの要望の高かった特装系車種(冷凍車やダンプ車など)への適応も可能になった。

その新型eCANTERに三菱ふそうの喜連川研究所で試乗を行った。同研究所は開発の最前線基地であり、多用なパワートレーンの検証ができるテストベンチのほか、大型商用車が走行可能な高速周回路や悪路コースなどを備えている。

ePTO
ePTOの概要図(写真:三菱ふそうトラック・バス)

新型eCANTERは、国内市場において合計28型式のシャシーラインナップを展開(従来型は1形式のみ)する。同時に、電動モーター式の動力取り出し装置(ePTO)を採用することで架装オプションも拡大し、ダンプ、キャリアカー、脱着車、リヤクレーン、ゴミ収集車の架装が可能になった。

車両総重量(GVW)では、従来型の7.5tクラスにプラスして、GVW5.0tクラスから最大でGVW8.0tクラスまで対応する。また、キャブバリエーションも従来型と同じ「ワイドキャブ」だけでなく、新たに最小回転半径が小さく、ボディ幅の狭い「標準幅キャブ」、そして同社の中型トラック「ファイター」と同等サイズの「EX 拡幅キャブ」の3種類を展開する。

バッテリーの配置
バッテリーの配置(写真:三菱ふそうトラック・バス)

動力源として使用する2次バッテリーの搭載個数により車両のホイールベースは、2500㎜/2800㎜/3400㎜/3850㎜/4750mmの5サイズあり、さらにGVWやキャブ(車体)サイズによって組み合わせが決まる。

2次バッテリーには正極材にリン酸鉄リチウムを使用したLFPバッテリー(CATL製)を用いた。バッテリー1個あたりの総電力量は41.0kWhで、同型の2次バッテリーを2個、ないしは3個をホイールベース間に並べて搭載する。

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