"死亡事故"が警鐘を鳴らす「日本のサウナ」の未来 「より熱くより冷たい」を追求する現状の違和感

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新刊『究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』で医学監修を務めた、サウナ医学の権威であるヤリ・ラウッカネン教授によれば、「サウナ浴の熱刺激」と「冷浴の冷刺激」のそれぞれが単独で、健全な人の身体にさらにプラスの効果をもたらすことは、ある程度、医学的根拠を示せる。

しかし、それぞれ何度くらいの温度帯で最も健康学的な効果があるか、どこまで行くと危険かについては、検証不十分だし、双方を間髪入れず行き来する行為の健康効果とリスクについても、信頼できる研究結果はまだ存在しないそうだ。

科学的根拠が不十分だからこそ、我慢や限界への挑戦に走れば、リスクの可能性もつきまとうことを誰しもつねに心に留めておくべきだ、と同書でも注意を喚起する。

「フィンランド人は、たいしてはしゃいでいない」

以前の記事「『水風呂にこだわる"サウナ好き"』の超残念な盲点」でも触れたように、フィンランド人は、激しい温冷交代浴による刺激ではなく、サウナ浴での蒸気のもたらすリラクセーションや、じんわりと身に染みる快感のほうを大事にする。

だからこそ、サウナ室内もあまり高温にはしないし、サウナ浴直後の水風呂(冷水浴)もマストではない外気で穏やかにクールダウンができれば十分と考えている。

本場フィランドでは、水風呂よりも外気浴を重視する(写真提供:こばやし あやなさん)

一方で、もちろん、真冬の凍った海や湖に穴を開けて入水する究極的なアイスホールスイミング「アヴァント」もメジャーな娯楽・健康法だ。

ただ、筆者が現地で日常的に彼らの冷水浴のスタイルを見ていて、「決定的に日本人のそれと違うな」と感じることがあるのだ。

それは、「フィンランド人はサウナ浴(や冷水浴)の間に、たいしてはしゃいでいない」ことだ。

本場フィランドのサウナでは、日本のように「騒いでいる人」が少ない(写真提供:こばやし あやなさん)
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