「サウナ浴後に眠気が訪れる」メカニズムは?
サウナと睡眠の関係の科学的な解明は、まだ「発展途上」ではあるが、現時点で睡眠不足に悩んでいる人には、サウナ浴が「改善の糸口」となるかもしれない根拠はいくつもある。
また、少なくとも「寝付きやすさ」に関しては、入浴から入眠までの時間をコントロールすることで改善できる可能性が指摘されている。
それでは、具体的にどのような点を心がければ、日々のサウナ浴を「睡眠の質の向上」へと結びつけることができるのだろうか。
じつは、サウナ本場の国であり、「世界幸福度ランキング」では6年連続首位をキープしつづけるフィンランドでも、不眠症や睡眠障害は「国民病」として問題視されている。
国民の約4割が、月に数回以上の寝付きの悪さを訴えているのだ。
一方で、本来私たちの脳が「疲労回復」に必要とする睡眠時間は、むしろ過去より増えていることを自覚しなければならない。多忙かつインターネット漬けである現代の生活スタイルは、言うまでもなく脳へ「大きな負担」をかけつづけているからだ。
こうした状況を背景に、今も昔もフィンランド人の間で語られる「サウナが睡眠の質を上げるかもしれない」という経験ベースの仮定に裏付けを与えるための科学的研究は、1970年代から続けられてきた。
新刊『究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』で紹介される過去の実証研究事例によると、サウナ後の睡眠においては最初の2時間で70%強、6時間で45%も、統計的に「ノンレム睡眠」の量が増加するそうだ。
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