「他人感情の察知能力」が高くて苦しむ人の特徴 相手の感情にのみ込まれないために必要なこと

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軽蔑という感情は、他者を見下したり、自分が優位に感じたりするときに抱く感情です。相手の軽蔑に敏感に反応してしまうと、自尊心が傷つけられ、自分を自己否定してしまう可能性が考えられます。同僚が自分を見下している、部下が自分をバカにしているかもしれない。こんなことを毎回経験していたらその集団に属していることがつらくなるでしょう。

恐怖という感情は、心身に脅威を感じるときに抱く感情です。相手の恐怖に敏感に反応してしまうと、相手に遠慮するあまり、自分の意見をストレートに言えなくなってしまう。さらに、自分の言動が相手を怖がらせていると感じ、過度に罪悪感を抱いてしまう可能性もあります。

悲しみという感情は、大切なモノ・ヒトを失うときに抱く感情です。相手の悲しみに敏感に反応してしまうと、過剰な手助けや共感をし、疲弊してしまう。あるいは、相手が求める手助けや共感の方向が異なると、お互いにストレスを生んでしまう。そんな可能性が考えられます。

相手とゼロ距離の共感と、距離をとった共感

こうした研究知見を見ると、ある程度の鈍感力も大切なのだと思わされます。一方、表情は、あくまでも感情の表れであり、感情の原因ではありません。表情を検知できたからといって、なぜその感情を抱いているのかは、自動的にわかるわけではないのです。

ここでまたクイズです。

以下の項目に、「はい」か「いいえ」で答えてください。

・非常事態では、不安で落ち着かなくなる。

・激しく感情的になっている場面では、何をしたらいいかわからなくなることがある。

・気持ちが張り詰めた状況にいると、恐ろしくなってしまう。

・切迫した状況では、自分をコントロールできなくなるほうだ。

・差し迫った助けが必要な人を見ると、混乱してどうしたらいいかわからなくなる。

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