月曜から発生…会社員が陥りがちな「4つの問題」 問題の種類に応じた「適切な視点」を持てていますか

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しかし、本当にその問題の原因は、そこにあるのでしょうか? そうとも限りません。自分の気になる点だけを見るのではなく、問題を起こしている真の原因を探るためには問題の種類に応じた適切な「視点」を持ち、問題に影響を及ぼしている要素を幅広く見なければいけません。

視点を変えることで、見える範囲(視野)を狭めることも広げることもできます。単純に視野を広げれば問題が解決しやすくなるという話ではありません。視野を広げすぎてしまったことで、関係ない部分まで見てしまい、その結果として、意味のない検討が行われるということも起こりえます。

だからこそ、問題の種類に応じた適切な視点を持つことが大切なのです。

実務の問題解決では「武器の使い分け」が重要

ここで【武器】と呼んでいるのは、ある問題を解決する際に「重要となる思考力」のことです。

例えば、業務ミスと業績ダウンの問題では、重要となる思考力は違います。業務ミスが起きてしまった場合、そのミスが今後起こらないように再発防止策を考えます。ミスを起こす原因を100%なくしたいと考える必要があります。

それに対して、業績ダウンの問題に取り組む際は、どうでしょうか? 業績ダウンが起こる原因を100%潰していくわけではありません。確かに赤字の発生原因を100%なくすことができれば最高かもしれませんが、それよりも、業績ダウンを起こすいちばん悪い原因を特定しそこを直して、大きなインパクトを残したほうが効率的です。

『会社の問題の9割は「4つの武器」で解決できる』(朝日新聞出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

ミスの場合はミスを100%直したいと考えるのに対して、業績が悪い際には、とくに悪い20%を直して、ざっくり80%のインパクトを残したいと考えます。業務ミスの場合には、原因を事細かく直していく必要がありますが、業績ダウンの際には、もっと要領よく、言い方をかえると、ずる賢く解決したいということです。

このように、業務ミスと業績ダウンでは、問題の種類が違いますので、その問題を解決する際に重要となる思考力も違うのです。

既存のビジネス書でもさまざまな思考力(武器)の重要性は語られてきましたが、問題の種類による武器の使い分け方までは教えてくれません。実は武器の使い分けを知らないことが、実務の問題解決で苦労してしまう原因となっているのです。

高松 康平 問題解決力 研修講師

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たかまつ こうへい / Kohei Takamatsu

株式会社スキルベース代表取締役。慶應義塾大学経済学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。その後、リクルート等を経てビジネス・ブレークスルーにて執行役員に。10年間にわたり問題解決力トレーニング講座責任者を務め、年間登壇数No.1の研修講師として活躍。現在は独立し、「考える力」の養成を中心にさまざまな教育コンテンツの企画開発から提供まで幅広く携わっている。時代に合わせたカリキュラム開発と分かりやすい指導が強み。著書に『筋の良い仮説を生む問題解決の「地図」と「武器」』(朝日新聞出版)、『会社の問題の9割は「4つの武器」で解決できる』(朝日新聞出版)がある。

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