「200件応募→採用ゼロ」IT企業インターンの真実 特権階級優遇の選考手法で庶民学生には狭き門
セントラル・コネチカット州立大学でコンピューターサイエンスを専攻するジャラウン・ロスは、有名テック企業で夏のインターンをするのは簡単なことではないとわかっていた。
学費の安い地元の公立大学に進学することを選んだからだ。コンピューティング分野の上位校ではなく、テック企業のリクルーターに推薦してくれるような業界関係の知り合いもいなかった。
200件応募しても採用はゼロ
昨年の夏は金融サービス企業でインターンをする傍ら、テック企業が候補者を間引くのに使っているコーディングテストの準備に毎晩数時間を費やした。最終的には200件を超えるインターンに応募したが、テック企業からの採用通知は1つもなかったと言う。
「とりわけマイノリティーや社会・経済的な地位が低い者にとっては、大学の勉強自体が大変だ」とロス。「平均的な州立大学に通う人間は、どうやったら競争できるのだろう」。
誰もがもてはやす有名テック企業のインターンに選ばれれば、アイビーリーグの名門大学で学ぶのと同様、その後の人生に大きなプラスとなりうる。
アマゾンやグーグルといった企業でのソフトウェアエンジニアリング分野のインターンはたいへんな競争率で、夏だけで2万4000ドル(約320万円)を超す給与に加え、さらに住宅手当が支払われることで知られる。課題は知的にやりがいがあり、貴重な人脈も築け、フルタイムでの内定につながることもある。