「200件応募→採用ゼロ」IT企業インターンの真実 特権階級優遇の選考手法で庶民学生には狭き門

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大手テック企業がインターンの採用率や受け入れたインターンの数がとくに多い大学の名前を開示することはほとんどなく、採用プロセスが不透明だと感じる学生は少なくない。

アドビの大学人材グローバル責任者は、最近の取材に対し、アドビでは通常、アメリカの夏のインターンプログラムには10万人を超す応募があり、600人ほどを採用していると語った。今年は、歴史的に黒人を多く受け入れてきたメリーランド州のボウイ州立大学と提携し、新たなサイバーセキュリティーのインターンプログラムを別途開始した。

アップルにもインターンシッププログラムについて問い合わせたが、返答はなかった。マイクロソフトおよびメタは、本記事にはコメントできないとした。

コーディングテストでも差が生まれる

また、経済的に恵まれた学生は、コーディングテストや技術面接の準備でも有利な立場にあるとみられる。多くの学生はテストや面接のスキルを上げるために、コーディングやアルゴリズムに関する問題とその詳細な解法を紹介している「LeetCode(リートコード)」というサイトで練習する。

リートコードは無料だが、月額35ドルのプレミアムサービスを利用すると、アマゾン、グーグル、マイクロソフトといった企業が実際に応募者の評価に使用した過去問にアクセスできるようになる。こうした過去問には現在も使われ続けているものがあり、リートコードは問題を最新の状態に保つため、テック系のポジションに応募したメンバーを対象に定期的にアンケート調査を行っているという。

しかし、セントラル・コネチカット州立大学のロスは、リートコードで練習を重ねても採用にはつながらなかった。200件ものテック系インターンに応募して不採用になるのは「心が折れる」体験だったという。

「これは自分の分野ではないという気分にさせられた」とロス。「自分としてはコンピューターサイエンスが好きなのだが」

それでもロスは、コンピューティング分野で学ぶ機会が得られたことに感謝していると言う。ロスは最近、昨年夏に働いた金融サービス企業から再び誘いがあり、もう一度、その会社でインターンをすることになった。

(執筆:Natasha Singer記者)
(C)2023 The New York Times

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