午前3時起床、育児中の教員5人が語る過酷な現実 仕事の持ち帰りはザラ、毎週土日に出勤する先生も

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石田:帰宅も遅かったのでしょうか。

A:頑張って午後6時半には保育園に子どもを迎えに行きましたが、帰宅後がイライラのピーク。バタバタしてしまい、栄養が整った食事を十分に与えられないことが、親として苦しくいちばんのストレスでした。

石田:仕事を持ち帰ることもありましたか。

A:毎日午後4時半まで会議があるので、自分の仕事は退勤後でないとできません。私は採点や学級通信の作成などを休み時間にさばけるタイプではないので、毎日仕事を持ち帰っていましたね。子どもを寝かしつけ、午後11時頃から仕事をして午前2時頃に就寝、翌朝は午前6時に起床。夜中に子どもが起きるので、まとまった睡眠は2~3時間しか取れなかったです。

石田:週末は休めましたか。

A:土曜日は夫に子どもを4時間預け、学校で一週間の授業計画を立てていました。成績をつける時期は、丸一日学校に滞在。親の力も借り、1カ月間ほど毎週土日は学校に行っていた時期もありました。

石田:現在、担任ではないにせよ、大変な毎日の中、どのように心の安定を図っていますか。

A:教員仲間と愚痴り合う会を1~2カ月に1回開催するほか、家事代行の利用により、心が安定するようになりました。授業のアイデアも次々浮かぶし、「やっぱり学級担任をやりたいな」なんてことも思います。

朝の30分の年休によるゆとりも大きいです。「いってらっしゃい」と子どもを送り出せるし、家をきれいにして出かけられますから。もし、朝の読書時間の見守りや採点をやっておいてくれる「朝サポーター先生」などがいたら、辞めずに済むママ先生は多いのではないでしょうか。

連続で育休を取得、ブランク後の働き方は?

石田:4月に職場復帰予定のBさんは、今どんなお気持ちですか。

(Bさん)
30代の公立小学校教諭。2人の子どもがおり、4年間の育休を経て4月から職場復帰。

B:計画的に出産して4年間連続でお休みしましたが、教員不足のためブランクは関係なく学級担任になるはず。先に復帰した友人の教員たちは皆、子どもと一緒に寝て午前3時頃に起きて家事や残りの仕事をしているので、私もそうなると思います。ただし、保育園の送迎は同居している義父母に任せられます。それでも、帰宅後は疲れて子どもと一緒に午後9時までには寝ちゃうと思います。

石田:多忙な仕事柄、出産時期に悩む方もいるようですが、Bさんはいかがでしたか。

B:結婚した当初が5年生の担任で、翌年も持ち上がる予定だったので避妊していました。同僚には「気にしなくていいよ」と言われたのですが、卒業生の担任を途中で放棄すると保護者にも何か言われそうだなと。その後、3年生と4年生の担任を務めて産休に入りましたが、想定よりも子どもを持つまでに時間がかかりましたね。

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