教育現場は今、厳しい労働環境が問題となっていますが、とくに子育て中の女性教員の負担が大きいことはあまり知られていません。
そこで、前回の記事(「30代が辞めていく…育児中の教員8人が語る窮地」)で、全国から届いた「育休中または育休を経験している女性教員の方々の声」を紹介したところ、大きな反響がありました。今回はその過酷な実態をさらに明らかにするため、5人の女性教員にお話をうかがいます(取材は2023年2月)。
睡眠2時間で土日も出勤、担任復帰の壮絶な日常
石田:まずは、小学校で働くAさん、現在の生活スタイルをお聞かせいただけますか。
(Aさん)
30代の公立小学校教諭。7歳と3歳の子どもを育てながら通級指導教室を担当。
30代の公立小学校教諭。7歳と3歳の子どもを育てながら通級指導教室を担当。
A:夫婦共に勤務地が遠いので、曜日ごとに交代で下の子の保育園の送りをやりくりしています。私は30分の年休を取って対応しているのですが、このスタイルでは毎日朝の会がある学級担任はできないので、現在は通級指導教室の担当にしてもらっています。
石田:復帰後はずっと担任を持っていないのですか。
A:上の子の育休後は、家と勤務校が近かったこともあり担任として復帰しました。でも、初めての1年生の担任で大変なうえ、当時は朝からワンオペで、保育園の送迎も私の担当。毎朝、食事の後片付けもできずに家を出る生活で、「今日も片付けられなかった」と涙目でした。上の子は発達障害があって行き渋りも出て不安定になり、復帰後の数カ月は本当に大変でした。家も夫婦関係も荒れていましたね。
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