科学者に聞く、脳の成長が止まる「3つのNGワード」 「仕事ができる人」「そうでない人」の違いとは?

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以前、仕事を一緒にしている人から、こんなことを聞かれました。

「どうやって新規客を探せばいいのかわからないのですが、どうしたらいいでしょうか?」

そのとき、私は彼にこう質問してみました。

「そうなんですね。でも、もしわかるとしたら、どんな小さなことでもいいので、どんな方法があると思いますか?」

少し考えて出てきた答えは、本人も意外だったそうですが、「自分の知り合いの名前を、すべて紙に書き出してみます」というものでした。

実際に、これまでもらった名刺、メール履歴、SNSの友達リストを調べてみると、1000名以上の人の名前が出てきて、本人も驚いたそうです。書き出すまでは気づかなかったことが、目に見える形になると、Aさんには紹介を頼もう、Bさんなどがいるグループは意外と定期的に商品を買ってくれていた、Cさん、Dさん、Eさんは同じ情報を求めていたなど、いろいろなことに気づき、それぞれに効果的なアプローチを考えて試してみたそうです。

その結果、その月の売り上げがなんと55%も上がったという事例がありました。

「脳内トーク」を変えただけで、意外な解決策や方法が見えてくることを、私も現場で日々体験しています。

言ってはいけないNG脳内トーク2「できない」

これも、言った途端に思考が停止してしまう「フリーズワード」です。
特にうまくいかない分野(仕事もプライベートも含めて)の多くで「できない」という言葉をよく使っている傾向があります。

もちろん、人はなんでもすべてできるわけではありません。うまくいく分野と、うまくいかない分野がありますよね。仕事ではすごくうまくいっている人が、恋愛ではまったくうまくいかなかったり、その逆だったり。うまくいかない分野であればあるほど、つい「できない」という言葉を使いがちです。

でも、「できない」と言った瞬間に、脳はできない状態をイメージするため、そこで思考がフリーズしてしまうのです。

一方で、うまくいく人の多くは、「できない」という言葉をほとんど使わない傾向があります。たとえ「できていないこと」に対してもそうです。

たとえば、スティーブ・ジョブズは、無理難題を言うことで有名な人だったそうです。まだ従来の携帯電話が全盛の時代に、「ボタン1つで操作できる電話を再発明するんだ」と開発者を集めて宣言したとき、ほぼ全員が「そんなことできるはずない」と思ったそうです。何度チャレンジしてもできないので、「こんなことは無理です。できません!」と伝えたそうですが、ジョブズはまったく聞く耳を持ちませんでした。

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